ポートフォリオ
概要
ポートフォリオは、投資家が運用資産を、「どの金融商品に」「どれくらい」投資しているかを集計したものです。すなわち保有している金融商品の組み合わせです。
ポートフォリオの構築・保守は、資産運用の全てであるといっても過言ではありません。
アセット・アロケーション(資産配分)
アセットクラスとアセット・アロケーション
国内株式・国内債券・国内REIT・先進国株式・先進国債券・先進国REIT・新興国株式・新興国債券・商品などの分類は、アセットクラスと呼ばれています。同じアセットクラスに属する金融商品は、概ね同じ値動きをする事から、ポートフォリオの構築には、このアセット・アロケーションが意識されます。
期待成長率を最大化させるような、アセット・アロケーションを構築するのが望ましいのですが、損失に対する心理的負担を加味し、リスクを取らない保守的なアセット・アロケーションで運用するのも一つの手です。
アセット・アロケーションの例
例えば、世界経済インデックスファンドと呼ばれる投資信託は、2013年8月現在、株式と債券に、概ね下図の比率で投資をしています。このように、どのアセットクラスを、どれくらいの比率で持つかについて、取り決めたものを、アセット・アロケーションと呼びます。
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参照:
リバランス
ポートフォリオが、目標とするアセット・アロケーションの比率から乖離してきた場合、目標と比べ大きな比率となっている資産を売り、目標と比べ小さな比率となっている資産を買います。この操作を、バランスを元に戻すという意味で、リバランスと呼びます。
さまざまなポートフォリオ運用方針
アセット・アロケーションの比率を一定に保つ運用が一般的ですが、これを含め、他にも多くの、保有する金融商品比率に関する、指針があります。
バイ・アンド・ホールド(B&H)
「買い持ち」のスタイルで、値上がりしても保有を続ける方針です。
大きく値を上げた資産は、ポートフォリオに占める割合が高くなります。
これは「順張」の思想に基づくスタイルです。
コンスタント・ミックス(CM)
「資産配分を一定に保つ」スタイルです。
値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買う事になります。
これは「逆張」の思想に基づくスタイルです。
ダイナミック・アセット・アロケーション(DAA)
リスク許容度低下→リスク資産を減らす
リスク許容度上昇→リスク資産を増やす
というスタイルです。
弱い相場でリスク資産を売り、強い相場でリスク資産を増やすので、「順張」のスタイルに分類されます。
タクティカル・アセット・アロケーション(TAA)
割安だと思う資産を買い、割高だと思う資産を売るスタイルです。
これは「逆張」のスタイルに分類されます。
分散投資
資産を分散し、投資するのであれば、さまざまな階層での分散投資が考えられます。
いくつか例を挙げてみます。
銘柄分散・業種分散
トヨタ株・ヤフー株・ローソン株・・・・など、銘柄を分散させることで、たとえ1銘柄が不祥事や経営難で大きく値を下げたとしても、その損失を限定させることができます。少額から広く銘柄分散したいのであれば、投資信託が有効です。
また、株式には業種と呼ばれる属性があります。銀行株・建設株・医薬品・食料品などがそうです。同じ業種に属する株式は、似た値動きをすることから、さまざまな業種の株式を組み入れる事は、ポートフォリオを安定させる際に有効です。
地域分散・通貨分散
特定の地域の資産にばかり投資していると、天災・人災により、どの銘柄も値を下げてしまう場合があります。(例えば東日本大震災では、ほとんどの日本株が暴落しました。)
これを避けるためには、投資対象の地域も世界中に分散することが有効です。
資産クラス(アセットクラス)分散
株だけに投資していると、「世界同時株安」の際、大きく資産を減らしてしまします。これを避けるためには、国内株式・海外株式・国内債券・海外債券・J-REIT・G-REIT・商品・・・など、株だけでなく、様々な資産に分散することが有効です。
- 最終更新:2013-11-12 23:57:17